太陽光発電と蓄電池を併用するメリット・デメリットとは?

公開日:2023/01/15   最終更新日:2022/11/22

環境に対する意識の高まりにより、太陽光発電を導入する家庭や企業が増えつつあります。それと同時に、災害などの不測の事態に備えるために蓄電池もあわせて導入することが増えてきました。今回は「蓄電池」とは何か、太陽光発電と蓄電池を併用することについてのメリットやデメリットなどについてまとめます。

そもそも「蓄電池」とは?

蓄電池とは充電することで繰り返し利用できる電池のことで二次電池とも呼ばれます。スマートフォンのバッテリーや、電気自動車のバッテリーなどとして利用されています。蓄電池には鉛電池・ニッケル水素電池・リチウムイオン電池などがありますが、家庭用蓄電池として利用されるものの大半はリチウムイオン電池です。

ニッケル電池に比べエネルギー密度や充放電エネルギー効率がよいことから、広い分野で使用されるようになりました。家庭用蓄電池は単独で使用するタイプと太陽光発電システムと連動して使用するタイプがあり、どちらにもメリット・デメリットがあります。

太陽光発電と蓄電池を併用するメリット

太陽光発電と蓄電池を併用するメリットはなんでしょうか。1つ目のメリットは電気料金の削減に役立つことです。太陽光発電を導入すると、自宅で使用する電力をまかなう自家消費ができるため電気代を安くできます。自家消費以上に発電した分は売電できるので、電気代削減につなげられます。これに蓄電池を加えるとさらなるメリットが得られます。それは、自家消費以上に発電した電力を蓄電池にため、夜間に使用できることです。この仕組みを使うと、発電量によっては終日、太陽光発電の電力を利用でき、電気代を大きく減らせるのです。

2つ目のメリットは災害などの非常事態に備えられることです。東日本大震災や北海道全域が停電するブラックアウトの被害が発生した胆振東部地震では、広い範囲で停電する状態が続きました。停電から復旧するまでは太陽光発電で得た電力を自家消費し、夜間は蓄電池に蓄えた電力を使用することで日常生活を維持できます。電力を確保することで冷蔵庫やエアコンといった生活必需品を稼働させ、電力不足による二次的な被害を防げるのです。

3つ目のメリットはCO2の排出削減に協力できることです。CO2は主に化石燃料を燃焼させることで発生するため、火力発電由来の電力を使用するとCO2の排出増加に寄与してしまいます。太陽光発電であればCO2排出量がほとんどないため、地球温暖化防止に必要なCO2排出削減に協力できます。

4つ目のメリットは補助金が出ることです。国は2050年にCO2排出量と吸収量を等しくすることで実質的にCO2排出をプラスマイナスゼロとする「カーボンニュートラル」を目指しています。その実現のため、国は補助金を出して太陽光発電と蓄電池の普及を図っています。加えて、各地方自治体でも独自の補助金を制定し、普及促進を図っているためこちらを利用することも可能です。

5つ目は電気自動車の電源として活用できることです。太陽光発電システムと電気自動車をセットにするV2Hとはビークルトゥホーム(VehicletoHome)の略称で、電気自動車の動力源として用いるのは当然のこととして、いざというときに電気自動車を蓄電池として利用できる仕組みです。このように蓄電池があることで、太陽光発電で生み出した電力を有効活用できるのが併用するメリットだといえます。

太陽光発電と蓄電池を併用するデメリット

その一方、蓄電池の設置にはデメリットもあります。1つ目のデメリットは初期費用(イニシャルコスト)が増加することです。太陽光発電システム自体が非常に高額なものですが、それに加えて蓄電池も整備するとなると初期費用が膨らんでしまいます。

2つ目のデメリットは経年劣化してしまうため、維持するための経費がかかることです。通常、蓄電池の保証は10年から15年度ですが、保証期間終了後は別途費用がかかってしまいます。

3つ目のデメリットは蓄電容量が限られていることです。蓄電池は無尽蔵に電力を蓄えられるわけではありません。停電時にすべての家電をまかなうほどの大容量蓄電池を用意するには、かなりの費用負担を覚悟しなければならなくなります。そうなると、ほどほどの金額でほどほどの蓄電量になるため、思ったよりも消費電力を賄えないといった事態が発生するかもしれません。

まとめ

今回は太陽光発電と蓄電池を併用するメリット・デメリットについてまとめました。太陽光発電と蓄電池を組み合わせることで、経済的なコストの軽減や非常時への備えができます。しかし、初期費用がかさみ、思ったほどの経済効果が得られない可能性もあります。太陽光発電と蓄電池をセットで導入するときには、発電シミュレーションなどで発電できる電力量を把握し、コストパフォーマンスを充分意識して設置するとよいでしょう。

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