石川県で広がる「太陽光×地域ポイント」モデル|発電が地域を支える新しい形

公開日:2025/11/18  

石川県で広がる「太陽光×地域ポイント」

石川県では、住宅用太陽光発電設備の余剰電力を活用し、重伝建地区へ供給する取り組みを2025年6月11日より開始しました。そこで今回は、新たなエネルギーモデルとして注目されている「太陽光×地域ポイント」について紹介します。石川県で太陽光発電設備の導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

石川県が発行した自治体ポイント「いしかわトチポ」

石川県では、自治体ポイント「いしかわトチポ」を2025年2月3日に開始しました。このポイントは、地域経済の活性化や地域コミュニティの振興を目的としており、1トチポ=1円で利用可能です。太陽光パネルを設置すると、1kWhあたり1ポイントが付与されます。

利用できる加盟店

いしかわトチポが利用できる加盟店は、主にスーパーや生活用品、飲食店などです。現在、数千件以上のお店が加盟店として登録しており、飲食や買い物などの支払い時に利用できます。

また、珠洲市・能美市・小松市が主体となり発行するトチポもスタートしています。なかでも小松トチポは、2025年10月1日に開始したばかりの新しいトチポです。小松市内にある250店舗以上のトチツーカ加盟店で利用でき、今後は各事業でのトチツーカ活用が期待されます。

さらに小松市では、マイナポイントと合わせて利用すると「最大7,000ポイント」が受け取れるサービスも実施中です。申請期間は令和7年10月1日(水)~令和8年2月2日(月)まで、16歳以上の小松市民の方であれば誰でも申請できます。

もらえるポイントは、小松トチポ:2,000ポイント(2,000円相当分)、マイナポイント:5,000ポイントとなっており、両方の対象者に限り最大7,000ポイントが付与されます。

トチツーカアプリで利用

いしかわトチポを利用するには、トチツーカアプリが必要です。AppleストアもしくはGoogleプレイからダウンロードでき、誰でもすぐにはじめることができます。

アプリ内で利用できる機能は、トチカ・トチツーカポイント・トチポの3つです。トチカは、自身の口座からチャージ決済できる機能です。1トチカ=1円として加盟店での支払いに利用でき、支払い・チャージそれぞれに上限があります。

トチツーカポイントは、決済額に応じて1トチツーカポイント=1円が付与される機能です。キャンペーン等で一定条件を満たした場合にも付与され、加盟店であればお住まいの自治体を問わず利用できます。

トチポは、自治体から付与されるポイントです。住宅用太陽光発電設備を設置した家庭から余剰電力を買い取り、トチポが付与されるサービスも導入しています。

「いしかわ県民太陽光でんき」を6月11日より開始

住宅用太陽光発電設備の余剰電力を買い取り、重伝建地区に供給するサービス「いしかわ県民太陽光でんき」が2025年6月11日より開始しました。買い取りに際しては「いしかわトチポ」を1kWh=1ポイント付与される仕組みとなっています。

ここでは「いしかわ県民太陽光でんき」と太陽光設備の「初期費用シミュレーション」について解説します。

買い取った余剰電力を重伝建地区に供給

いしかわ県民太陽光でんきは、石川県・金沢市・北國銀行・北陸電力が連携し、重伝建地区に供給する取り組みです。重伝建地区とは、歴史的景観の保全が求められる地区のことで、石川県では東山ひがしおよび主計町がそれにあたります。

これらの地区は太陽光発電設備の導入が困難なため、再生可能エネルギーを届けることができません。そこで石川県では、補助金制度を活用して太陽光発電設備を導入した家庭の余剰電力を買い取ることで、重伝建地区へ再生可能エネルギーの供給を可能にしました。

供給開始は2025年6月11日、参加特典として発電者には1kWhあたり1ポイントのトチポを、受電者には環境周知グッズが提供されます。

太陽光発電を導入するメリット

住宅用太陽光発電設備を導入することで、北陸電力が買い取った余力電力を重伝建地区へ供給し、脱炭素化を図ることができます。さらに、買取量に応じたいしかわトチポが付与されるのも大きなポイントです。

一方で北陸エリアは、太陽光発電を導入しても「元がとれない」との噂もあります。実際のところどうなのか、太陽光発電を導入するメリットについて解説しましょう。

まず、太陽光発電には、発電した電力を自宅で消費する「自家消費」と余った電力を電力会社に売る「売電」の2つの効果が期待できます。

自家消費に関しては太陽光の電気でまかなっているので、電力会社から電気を買う必要がありません。仮に一部の電気を自家消費したとしても、請求されるのは自家消費を引いた分になるため、非常にお得でしょう。

売電は年々単価が下がっていますが、それでも副収入を得るには十分な価格です。たとえ冬は晴れの日が少ない北陸エリアでも、自家消費+売電のW効果なら、導入するメリットがあります。

石川県が実施している太陽光・蓄電池・V2H向け補助金

石川県では、太陽光発電設備を導入することで自治体や国の補助金が受けとれます。ただし、受付期間や条件等は時期によって異なるため、申請前に石川県・各自治体のホームページで確認が必要です。

住宅向け太陽光発電設備普及促進事業費補助金

2025年、石川県が実施している補助金制度は住宅向け太陽光発電設備普及促進事業費補助金です。太陽光発電設備の普及を促進することで、再生可能エネルギーの導入を拡大し、さらには余剰電力を重伝建地区へ供給することが可能になります。

供給された重伝建地区は、脱炭素化を図ることにもつながるでしょう。補助金額は1kWあたり7万円、最大35万円まで支給されます。申請額が予算上限に達した場合は受付が中止される可能性があるので、早めの申請がおすすめです。

申請条件と対象者

申請は、下記の条件を満たした方のみ可能です。

まず、2025年5月1日(木)~12月26日(金)までに申請し、申請後は2026年1月30日(金)までに実績報告書を提出します。先にも述べたように、申請額が予算上限に達すると申請できない可能性があるので注意してください。

次に、対象者です。太陽光発電に関する補助金制度なので、居住する住居に太陽光発電設備の導入が必要です。

このほかにも、地域脱炭素移行・再エネ推進交付金 交付対象事業の要件に沿うことや発電電力量の計測器等が設置されていること、余剰電力を県が指定する電力会社に売電することなどが挙げられます。

補助対象設備は、北陸電力「かんたん固定単価プラン」への加入・発電電力量の30%以上を自家消費・FIT/FIP制度の認定を取得しないの3つの要件が定められています。

初期費用シミュレーション

どれくらいの補助金がもらえるのか、事前に初期費用シミュレーションをしておくと安心です。

太陽光発電設備の設置容量は、約4~5kWです。一般家庭の太陽光パネルの相場価格は、2024年12月の時点で1kWあたり平均28.6万円(資源エネルギー庁「太陽光発電システムの設置費用の推移」)、このことから、本体にかかる費用相場は約114~143万円になるといわれています。

5kWhの太陽光発電設備を石川県の市町村で導入した場合、初期費用143万円・補助金上限35万円・実際の自己負担額108万円です。市町村別の補助金が併用できる場合もあるので、各自治体の公式サイトで確認してください。

太陽光発電設備を導入する際は、以下の流れで申請を行います。

必要書類を準備し、県に補助金申請をします。電子申請となるので、誤字のないように注意してください。審査は提出書類をもとに行われ、審査が終了すると県から交付決定通知が届きます。

そのあと、施工→県へ報告書を提出→額の決定通知→請求書の提出の流れで補助金が口座へ振り込まれます。

まとめ

今回は、石川県で広がる太陽光と地域ポイントの新たなエネルギーモデルを紹介しました。現在石川県では、金沢市・北國銀行・北陸電力と連携し、県内住宅の太陽光発電設備から買い取った電力を重伝建地区(東山ひがし・主計町)へ供給する「いしかわ県民太陽光でんき」を実施しています。発電者には、地元商店などで使用できる「いしかわトチポ」を1kWhあたり1ポイント付与しており、再生可能エネルギーの地産地消と地域経済の活性化を同時に促進することが可能です。今後は、ほかの重伝建地区への展開も期待できるでしょう。

地域に密着した特約店

西山産業(環境事業部)

西山産業(環境事業部)の画像 引用元:https://nishiyama-g.co.jp/taiyoko/

西山産業は北陸地域密着型の太陽光発電専門店で、顧客に寄り添った丁寧な提案が特長です。メリット・デメリットを正直に伝え、押し売りはせず、提案からアフターフォローまで一貫対応してくれるため安心して任せられます。

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