住宅に太陽光発電を設置するメリット・デメリットとは?
世界の先進国と比べると日本の太陽光発電の普及率は低いですが、これからは導入しやすい環境になっていくと予想されています。太陽光発電の将来性は気になるところで、設置すればどのようなメリットがあるのか?またデメリットはあるのかが注目点となっています。今回は、太陽光発電の設置によるメリット・デメリットをご紹介します。
太陽光発電とは?
そもそも太陽光発電とは、太陽の光エネルギーで発電することを指します。太陽光発電は半導体に光を当てて電気を生みだす仕組みで、太陽電池は2種類のシリコン半導体を重ね合わせた構造です。
太陽電池をたくさんつなげて大きなパネルにしたものがソーラーパネルで、屋根に設置して光エネルギーを電気に変換します。ソーラーパネルはよく目にするものですが、発電された電気を自宅で使用したり、電力会社に売ったりするにはほかにたくさんの機器が必要です。以下で、必要な機器についてご紹介します。
■接続箱
ソーラーパネルからの配線をまとめてパワーコンディショナへと電気を送る装置です。
■直流側開閉器
ソーラーパネルで発電した直流の電気が流れる回路の開閉装置です。
■パワーコンディショナ
ソーラーパネルで発電され送られてくるのは直流という電気で、一般家庭で使われている交流に変換しなければなりません。その変換を行うのがパワーコンディショナです。また保護装置というのは回路に流れる電気を監視する装置で、多くの場合、パワーコンディショナと一体化しています。
■発生電力量計
ソーラーパネルで発電された電力量を計測するための装置です。
■分電盤
パワーコンディショナで交流に変換された電気を、家庭内の各場所へと分配するための装置です。
住宅に太陽光発電を設置するメリット
太陽光発電を設置するメリットは大きいといわれていますが、どのようなメリットがあるのでしょうか?こちらでご紹介します。
■電気代を節約できる
太陽光発電で発電した電気を自宅で使えるようになるので、電気代は安くなって節約できます。
■売電することができる
太陽光発電で生み出した電力は、自宅で使うだけでなく使いきれなかった分は売ることができます。しかも「電力固定価格買取制度(FIT)」によって、導入後10年間は一般的な市場価格よりも高い価格で買い取ってもらうことが可能です。FIT期間が終了しても、売電を続けることができます。
■非常用電源として使用できる
地震や台風などの災害に見舞われて停電になったとしても、自宅での電力を確保することができます。太陽光発電システムが正常に稼働していれば、冷暖房の稼働やテレビやスマートフォンによる情報収集も可能となるでしょう。非常用電源として活用できるのは安心につながります。
■断熱効果がある
ソーラーパネルを屋根の上に設置することで、太陽の光を受けて屋根が温められるのを防ぎます。そのため、夏は屋根への直射日光による温度上昇を抑制し、室内を涼しく保つことができるのです。そして、ソーラーパネルは屋根からの熱の放出も防ぎ、冬には室内の熱を外に逃がすことなく暖かく過ごせる効果があります。
このように住宅に太陽光発電を設置するメリットはたくさんあり、エコなエネルギーであることも特徴のひとつです。CO2の排出もなく、環境を破壊してしまう危険性もありません。環境にやさしいエネルギーとして、世界中で注目されています。
住宅に太陽光発電を設置するデメリット
それでは、太陽光発電を設置するとどのようなデメリットが考えられるのでしょうか?こちらで確認していきましょう。
■高額な費用がかかる
太陽光発電システムを導入するには、高額な初期費用と定期的なメンテナンス費用が必要となります。徐々に安くなっていますが、最低でも100万程度の費用がかかるでしょう。なるべく価格の安いメーカーを選んだり、自治体の補助金制度を利用したりすることが賢明です。
■天候に影響される
太陽光発電の発電状況は天候に大きく影響されるため、梅雨の時期や日照時間の少ない冬は、発電が充分ではありません。1年を通して見ると、雨が多い時期などは限られています。けれど、太陽光発電だけで自宅の電力を賄えない時期もあるということを知っておきましょう。
■設置できない場合もある
ソーラーパネルを20~30枚程度取り付ける必要があるため、屋根にかなりの負荷がかかります。つまり300~450kgくらいの負荷がかかるので、家の構造や土地によっては、設置できない場合もあるようです。しっかり確認しておく必要があります。
ここまでで、住宅に太陽光発電を設置することにはメリットもデメリットもあることがわかりました。しかし、家の状況や環境によっては、必ずしも当てはまるものではないでしょう。
初期費用が高額になるというデメリットに対しては、初期費用が年々下がってきているという現実があります。それを踏まえると、一時的な負担があっても長期的にはデメリットにはならないということです。
また、設置しようとしても、最終的に家の構造などによってできない場合があるため、事前にリサーチしておきましょう。石油・石炭などによる発電には限界があり、再生可能エネルギーの開発が急務であるのは事実です。だからこそこれからも太陽光発電には将来性があるはずです。